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前回は、「お客様からのご意見・ご指摘」について説明しました。
今回は、非常に重要!
「人手不足対策」についてです。
人事評価制度(人事考課)とも関連がありますので取り上げてみたいと思います。
以前、何回かセミナーを実施させていただき様々な団体・協会からの要望が多いテーマは人手不足対策です。
私も以前から人手不足対策の指導をしており、「人手不足脱却のための組織改革」という書籍を経営書院から出版させていただいております。
この人手不足。
実は、4つのパターンが存在しているのです。
この人手不足の原因である4パターンを理解せずに、安易な対策を施すことは非常にムダであり、求人広告費用の垂れ流しとなる恐れがありますので十分に注意してください。
その4つの人手不足対策のパターンとは、
パターン1:求人難型
パターン2:採用不完全型
パターン3:従業員退職型
パターン4:人材伸びない型
です。
もう少し説明を加えます。
パターン1の求人難型とは、求人募集に対して応募が無いことです。
パターン2の採用不完全型とは、応募してきた人材の中から適切な人材を選べないことです。
パターン3の従業員退職型とは、せっかく採用した新人従業員や既存従業員が退職してしまうことです。
パターン4の人材伸びない型とは、採用した従業員及び既存従業員の能力が伸ばせない、管理職・技術者が育たないことです。
以上、4パターンの人手不足の厄介なところは、複雑に絡み合っているところです。
ですから、どれか一つだけ解決したところで根本的な人手不足の解消にはつながらないのです。
といいますか、4つのパターンのうち、どれか一つ欠けても、人手不足に陥ってしまいます。
では、これら人手不足の4パターンの原因について考えていきたいのですが、その前に、非常に重要な前提をお伝えします。
その重要な前提を説明するにあたり、一つ質問です。
あなたの会社では、売上が芳しくない時に次のどちらの行動を取りますか?
1:新規顧客獲得活動を行う
2:既存客に対してさらなる販売活動や紹介依頼をおこなう
多くの会社が「1」を選択してしまいます。
これは、資金的にかなり余裕がある場合には、とるべき対策として有効ですが、ある程度、切羽詰まった状態では、絶対に「2」を行うべきです。
これは、マーケティング活動の常識であり、経営者も理解はしているのですが、新規売り上げを立てるために、なぜか、新規顧客の獲得を追い求めてしまいます。
人手不足対策も同じなのです。
やみくもに新規採用を追い求めるのではなく、既存従業員に目を向けるのです。(切羽詰まった状態でなければ)
既存従業員に目を向けるということは、
・既存従業員の退職を防ぐ
・自社に入社してくれる人材が居ないか既存従業員に紹介依頼する
ただ、この「自社に入社してくれる人材が居ないか既存従業員にお願いする」は、組織の状態如何により難しいかもしれません。
既存従業員は、自分が勤務する組織のことをどのように感じているのか?困ったことですが、よくある事例として、
「自分が勤務する会社の商品は購入したくない」
「自分か勤務する会社のサービスは受けたくない」
ということです。
内情をよく知る従業員から、このような評価をされている組織は非常に問題です。
従業員が買わないような商品をお客様に買わせている。
そのような組織に、既存従業員としては、自分の知り合い・友人を道連れにしたくないですよね。
ですから、人手不足の原因として構造的な問題や、業種・職種による問題はもちろんありますが、自社だけが人手不足の場合や、業界全体が人手不足ではあるが、自社の人手不足が深刻な場合は、自社自身に原因がある場合が多いのです。
少し、気を取り直して、実は、人手不足に陥ってしまった原因としては、人材が定着しない場合が多いのです。(人材の離職率が高い)
その、人材が定着しない原因を取り除かなくてはなりません。
そう、離職率の低下ですね。
このことが是正できない状態で、いくら新規に採用したところでザルに水をくみ入れているようなもので、喜ぶのは、求人募集媒体会社や人材紹介会社だけです。
このように、まずは離職という出血を抑えたうえでどのように人材を獲得していくのかという考え方が重要なのです。
人事評価制度(人事考課)はそのためのツールともいえるでしょう。
以上、一連の考え方は「人材マーケティング」と言えます。
「人材」と「顧客」は同じくらい大切であり、「従業員満足」と「顧客満足」も同じくらい大切なのです。
今回は、「カンタンすぎる人事評価制度」には、触れていませんが、非常に重要なことなので説明しました。
次回は、人手不足の4パターンの原因について説明していきます。