047回:人事制度の一部である賃金制度(給与制度)について考えてみる

前回、前々回は、人事制度の一つの仕組みである「能力開発制度」について解説しました。

今回は、賃金制度(給与制度)について説明しましょう。

賃金制度(給与制度)について人事制度コンサルから指導を受ける場合は一つ注意してください。

通常、賃金制度(給与制度)を策定するということは「賃金規定」や「給与規定」を作成(改訂)することですね。

この「賃金規定」「給与規定」は、「就業規則」の一部であり、「就業規則」の策定は、法令で社会保険労務士の独占業務となっており一般の人事制度コンサルタントが生業として「賃金規定」「給与規定」を作成(改訂)することは法令違反の可能性が非常に高く、依頼した側の企業であってもコンプライアンス上問題でしょう。

ちなみに人事制度を構成する四つの仕組みである「人事評価制度」「能力開発制度」「賃金制度」「職能資格等級制度」のうち「賃金制度」の策定を人事制度コンサルタントが社労士あっせんすることも問題のようです。

前振りはこれくらいにして、賃金制度(給与制度)の説明に入ります。

ちなみに私は、人事制度コンサルタントですが特定社会保険労務士でもありますのでご安心ください。

一般に人事制度の一部の仕組みとして賃金制度(給与制度)を策定(改訂)する場合、人事評価結果をどのように賃金に結び付けるのかを決定することになります。

その他、多くの企業では、既に「就業規則」若しくは「賃金規定(給与規定)」が策定済みですからその策定済みの内容を新人事制度に移行するにあたりどのように改定するのかを検討する必要があります。

その意味でも社会保険労務士の力を借りなくてはなりません。

ここで一つお願いなのですが、新人事制度に移行するにあたり、当面は、既存の給与を一円も下げないことを従業員に約束・公言していただきたい。

「当面」と書きましたが、三年ほどでしょうか。

例えば、新人事制度で係長に要求される力量がA,B,C,Dの四つの場合、既存のY係長はA,C,Dの三つの能力しか保有していません。

その場合、Y係長はBの能力を保有していないので係長として相応しくなく、係長の職を解くことになると係長手当てが削減されてしまいますが、この場合、当面の間(企業により異なるが一般的には2年ほど)、Bの能力が無くても、Y氏を係長の職に留めてあげてください。

そして、二年の間にBの能力を身につけさせてください。
それが出来ない場合は、係長の職を解いてください。

以上の事例は、わかりやすくするために役職と役職手当で説明しましたが、他の能力や手当、基本給も同様の考え方をします。

【参考情報】人事評価制度とは?