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093回:求職者の「職務経歴書」「適性検査」「一般常識試験」の見方

今回も人事評価制度は、脇に置き、人手不足対策に対する4つのパターンの
「パターン2:採用不完全型」を克服するための施策を考えてみましょう。

前回、適切な人材の選び方として、ざっと、以下の8つがあることを表記しました。
1 「履歴書」の見方
2 「職務経歴書」の見方
3 適性検査結果の見方
4 一般常識試験の回答の見方
5 その他、その業種特有の文書の見方
(資格者証・免許証、合格証、卒業証書、運転記録証明など)
6 面接時にした方が良い質問とは?
7 予め、持っていて欲しい能力・技術を明確にしておく
8 ゲームや行動観察による見極め方

そのうち、「1 履歴書の見方」を説明しました。

今回もその続きで「2 職務経歴書の見方」を説明しましょう。

少々穿った考え方をしますと、「職務経歴書」は、どのようにでも策定できるということです。
正直、大した職務経歴が無くともさも、すごい仕事をしてきたように記載することも可能なのです。

そのいわゆる過大表記(今風の表現だと「盛った」)を見破らないとなりませんね。

では、「職務経歴書」に記載してある「○○をやり遂げました」的な内容に対してどのようにツッコミを入れるのでしょうか?

元々、当文章は、人事評価制度(人事考課)についての内容なので仮に「職務経歴書」の内容に、「人事評価制度策定プロジェクトをやり遂げ、人事評価制度を完成させました」と記載してあった場合、次の内容を確認してみてください。

Q1:なぜ、そのプロジェクトが必要となってのか?
Q2:なぜ、あなたが選ばれたのか?(ナニを期待されたのか?)
Q3:プロジェクトリーダーはどなた?
Q4:プロジェクトにおけるあなたの役割は何?
Q5:プロジェクトに対する外部からの指導者は居たのか?
以上が計画に関する質問です。

Q6:あなたは期待通りの活躍が出来たのか?
Q7:プロジェクトはスムーズに進行したのか?
(スムーズに進まなかった場合の対処は?)
以上が実施に関する質問です。

Q7:プロジェクトの進捗管理はどなたが行っていたのか?
Q8:プロジェクトの変更はあったのか?
以上が検証に関する質問です

Q9:プロジェクトの一連の活動を通して改善はあったのか?
以上が改善に関する質問です。

いかがですか?
実は、以上の質問は、PDCAの質問なのです。
プロジェクトを遂行する上で、適切に参加していたメンバーであれば、前述の九つの質問に容易に回答できるはずですね。

ただ座っているだけのメンバーの場合は、しどろもどろになったり「それは、リーダーが管理していました」などと、逃げの回答をしてしまいます。

もちろん、「職務経歴書」の実施内容の記載事項が期限を有するプロジェクトでなくても、日々の業務でも同じです。

要は、本人が作成した文書である「職務経歴書」には、ツッコミどころがたくさんあるのです。
本当に本人が成し遂げたこと、参加したことであれば、この「ツッコミどころ」について適切に回答できるはずです。

ただ、一つ注意点を。

「職務経歴書」の内容にツッコミを入れてまともな回答が得られなかった場合、あまり、追究しない方が良いでしょう。

「職務経歴書」は、人事評価制度と並んで人事制度を構成する、職能資格等級制度の中途入社人材の等級を決定する重要な要素ですから採用前提であれば、詳細に聞き取る必要がありますが、採用しないのであれば、相手をあまり追い込んでも仕方ありませんのでほどほどに。

次に「3 適性検査結果の見方」について説明しましょう。

面接時に適性検査を実施している企業はすべてではないと思いますが当社では、実施しておりますし、関与先企業には実施を薦めています。
ただ、適性検査の結果を鵜呑みにすることはやめるべきです。

では、適性検査のどの部分を参考にすべきなのか?
それは、ずばり、責任感です。
また、職種や組織の状況によっては、協調性も気になりますね。
要は、自社として重要視する項目を予め決めておくことが必要です。
ただ、責任感についてはどの組織でも必要だと思いますが。

また、適性検査の結果を参考にする場合、その適性検査結果が信頼に値する内容なのか?が気になりますので、適性検査の種類により呼称は異なりますが適性検査結果の信頼度を常にチェックしておいてください。

次に「4 一般常識試験の回答の見方」についてです。

大前提として、たとえ10分でも一般常識のテストは実施すべきです。
内容としては、
・漢字の読み書き
・算数の計算
・日本の地理
・簡単な英単語
くらいで構いません。

当社も30年近く、自社の人材採用で一般常識テストを実施していますが、非常に笑える(失礼!)解答を目にしてきました。

一般常識テストの傾向を視てみましょう。
・カンペキ という「ペキ」はほとんど書けない
・分数の計算はほとんどできない
・政令指定都市を把握している人材は少ない
・月、曜日を英語で書けない人材が多い

笑えるのは、「履歴書」に得意科目が英語と記載しているにも拘わらず、火曜日、1月 を英語で書けないのです。

一応、非面接者の学歴は95%以上が大卒なのですが、このような状態なのです。

人事評価制度(人事考課)の評価項目としても最低限の一般常識の知識を評価したいくらいですね。

蛇足ですが、皆さん、その人材の基礎的学力を測る場合、決して、最終学歴で判断すべきではないようです。
高等学校でみてください。

今回も人事評価制度(人事考課)以外の内容でした。

【参考情報】人事評価制度とは?

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